【解説】巨人高田と楽天高梨のトレード! 両者の考えは?
昨日発表された巨人の高田と楽天の高梨とのトレード。巨人と楽天は最近トレードが、しかもそれなりに大物同士でのトレードが多いですね。
今回はこのトレードについて解説していきます。
結論からいうと、今回のトレードはつりあったトレードだと思います。
両選手の解説
高田萌生
1998年生まれの22歳。右投。創志学園高校から2016年のドラフト5位で巨人入団
二年目にはイースタンリーグで最多勝、最優秀防御率、最高勝率を獲得するも、その後は伸び悩んでいるという感じでした。
ストレートは150km台を投げるもののコントロールが定まらないという印象。
ただ、チームからの期待は大きく、球団からのコメントにもあった通り次世代のローテーションピッチャーでしたし、なにかきっかけをつかめば大化けしそうでありました。
高梨雄平
1992年生まれの28歳。左投。ENEOSから2016年のドラフト9位で楽天に入団。
一年目から17試合連続無失点を含む46試合に登板し、1勝0敗14ホールド防御率1.03の成績を残した。
二年目には球団史上最多となる70登板を達成し、侍にも選ばれました。三年目となる去年も手術の影響から登板数は48登板にとどまったものの、防御率2.30と安定したピッチングを見せました。
しかし、対右打者の成績が悪く、ワンポイントでの起用が多くなっていました。
さて両選手について軽く紹介しました。(高梨選手はあまりよく知らなかったので間違っていたらすいません。)
期待大の先発候補と実績十分の中継ぎということで、それなりのレベルでのトレードと言えるでしょう。
両チームの考え
巨人
今回のトレードは巨人が高梨を要求したことが始まりだったそうなので、まずは巨人から。
巨人が高梨を求めた理由はシンプルに中継ぎの補強をしたかったからでしょう。今の巨人は8回を投げる中川、9回を投げるデラロサは安定しているものの、7回を投げる投手や接戦時に投げる投手が澤村、高木、鍵屋と安定性に欠けていました。その中で今シーズンは日程が厳しいこともあり、実績のある中継ぎを求めたのでしょう。全権監督である原監督が中継ぎ整備することを重視することが多いのも今回のトレードに踏み切った理由でしょう。
逆に高田の放出を認めたのは、巨人が先発のプロスペクトを多く抱えているからでしょう。二軍にいる先発候補としては今村、高橋、古川、太田などがいて、さらに一軍にも若い先発が多いため目の前の中継ぎ整備を優先したのでしょう。高田が覚醒したとしても他リーグなのでそれはそれでいいという考えもあったかもしれません。
楽天
楽天が高田を要求したのは先発のプロスペクトを持っておきたかったということでしょう。現在の楽天の先発陣は岸、涌井を筆頭に高齢化が進んでいます。その中で若手で期待のできる先発候補が欲しかったのでしょう。まあ、トレードを提案された側なので今すぐに戦力が欲しいというよりは、将来に向けた補強ということでしょう。そういう意味でポテンシャルを秘めている高田の指名は悪くないと思います。
楽天が高梨の放出を認めたのは中継ぎ陣が安定していることと、ワンポイントでの起用が難しいというところでしょう。最近の傾向として、先発が早めに降板するケースが増えています。そのため中継ぎが長いイニングを投げなければならず、これからの中継ぎは1イニングは投げ切ることが求められるのですが、そうなると高梨のようなワンポイントは厳しくなります。
また、メジャーでは今年からワンポイントでの起用が禁止され、日本でもそのルールが導入される可能性があるのでそこまで見据えたのかもしれません。
ここまで考えると、実績がある分少し巨人有利な気がしなくもないですが、高田の可能性を考えればそこまでどちらかに偏っているということはないと思います。
今後
ではこの二人の加入によりどのような影響があるのでしょうか。
まずは巨人。巨人としては高梨がどのレベルのピッチングをしてくれるのが今シーズンはかなり大切になるでしょう。もし左右関係なく通用してくれれば7回を投げる投手として、かなりの補強になります。
不安なのは高梨が最近あまりコントロールがよくないので、結局澤村や鍵屋のようにあまり信頼できない中継ぎになってしまうかもしれません。
逆に楽天はあまり即戦力としては考えていないと思うので、環境を変えて一皮むけてくれればというところではないでしょうか。
この二球団は最近トレードを活発にしているチームで、個人的にトレードはなにかワクワクして好きなので、これからもこういうトレードが増えたらいいなと思っています。
長打率の打線での見方 なぜ大切なのか
今回は長打率がなぜ大切なのか、打線を考える上でどのように活かせばいいかを書いていきます。
ちなみに長打率の基本的な話は下の記事で書いているので、ぜひ見てみて下さい。
長打率はなぜ大切なのか
早速ですが長打率がなぜ大切なのかについて書きます。
その話をする前にまずわかっておいてほしいことがあります。出塁率の記事でも書いているのですが僕が勝手に四マス理論と呼んでいるものです。
これは簡単に言うと野球は三つのアウトを取られる前に四つのマス(塁)を進むのを目指すゲームだということです。
これをもとに考えると長打率が大切な理由は単純です。
長打率とはどれだけ塁を進めるかの期待値ですから(四球などの分本当は誤差あり)、野球ができるだけ塁を進むことが求められるものだと考えると長打率は大切です。
長打率をどのように活かすか
長打率が大切であるのはいいとして、では実際にどのように活かせばいいのでしょうか。
まず、前提として、長打率が高いバッターは基本的には上の方の打順に置くべきです。
この理由もシンプルで、打順が上であるほど打席が回ってくる回数が増えます。進むマスの数はその期待値である長打率に打席数をかけたものですから、進むマスの数を増やそうとするなら、長打率が高いバッターは上位に、長打率が低いバッターは下位に置くのが鉄則です。
ただ、じゃあ長打率の高い順に並べればいいのかというと当然そんなことはありません。野球というスポーツはそこまで単純ではありませんw。
打順を考えるときに考えるべきことはあまりにも多いので、今回は長打率が高いのに1,2番にはおかない方がいいという状況を紹介します。
この時重要になるのが、長打率が高いと言っても色々なパターンの打者がいるということです。
特に差があるのが走力と出塁率です。
走力
まずは走力。長打率が高いバッターというのは、ゴリゴリのホームランバッターであるか、中距離打者がホームランをそれなりに多く打てているかのどちらかであることがほとんどです。
そして中距離打者の場合は走力は普通くらいであることや、むしろ実は足が速いということが多いですが、ホームランバッターというのは大概足が遅いものです。
当然ですがこのようなバッターは1,2番には置くべきではありません。
むしろなんか威圧感がある気がするので、ランナーがたまりがちな4,5番あたりがいいと思います。
出塁率
次に出塁率。これは長打率が高いバッターの中でも高い人と低い人に分かれます。
もちろん長打率が高い分、出塁率が高いというバッターも多いのですが、中には当たれば大きいが、打率・出塁率は低めというロマン砲タイプもいます。
これもまた1,2番には置くべきではありません。
こういう選手は、ただでさえ上位打線には出塁率が大切だから向いてないのに、自慢のホームランも1,2番にいたらランナーがおらず一点しか入らないということで、適正は最悪です。また、こういう選手は大概足が遅いものです。
こういう打者は5,6,7番あたりにいて、ランナーがいる状態で回ってきたら厄介だという存在になるのが一番でしょう。
また、これらとは別に、長打率が高いバッターの前には出塁率が高いバッターをおくべきという考え方もあります。
どういうことかというと、例えば二塁打を打ったとき、本来であれば進むマスは二つです。しかし、もしランナーがいればそのランナーの分、チーム全体での進むマス数は四つあるいは五つになり、点を取れる可能性もあります。要するに長打が出る時にはランナーがいた方が得だよねってことです。
終わりに
今回は長打率の重要性や打線での考え方について書きました。ただ打線の組み方は複雑ものなのでこれからも別の面から考えていこうと思います。ご覧いただきありがとうございました。
【解説】長打率とは?計算法や評価の目安など
皆さんは長打率というものをご存知でしょうか。最近よく使われるようになったOPSの「S」の部分としてよくみる長打率ですが、あまり長打率単体に注目するということはないと思います。
今回はこの長打率について計算法や評価の目安を解説していきます。
長打率の計算法
長打率の目安
終わりに
今回は長打率について書きました。長打率の大切さや打順の中での活用法などについてはこちらの記事で書いているので、是非見てみてください。
ご覧いただきありがとうございました。
【解説】出塁率とは?計算法やどう活かすべきか、なぜ大切なのか
皆さんは出塁率というものを知っていますか?
最近流行りのOPSの「O」の部分として使われることが多い出塁率ですが(ちなみにOn‐base percentage)、そもそもなぜそれほど重要なのでしょうか。なぜ打率ではいけないのでしょうか。
この記事では計算法などの基本から、出塁率の重要さや打率とのちがいについて解説します。
出塁率の計算法
出塁率の計算が全く分からないということはないでしょう。出塁率とは名前の通り出塁する率です。
一応正確な式を載せておきます。
出塁率 = (安打 + 四球 + 死球) ÷ (打数 + 四球 + 死球 + 犠飛)
打率の安打の部分がそのまま出塁数になっただけです。
一応注意点としては、打率と同じようにバントによるアウトはカウントされませんし、エラーによる出塁はアウトにカウントされます。
しかし、打率とは違い、犠牲フライによるアウトはカウントされます。なんででしょうね。わかりません笑。
まあ大体は出塁する率です。
では次はなぜ出塁率が大切なのかです。
出塁率はなぜ大切なのか
出塁率がなぜ大切なのか。それは「出塁率」=「アウトにならない率」であるからです。
そもそも野球というのは言い換えれば、3個のアウトを取られる前にホームに帰ってくるというチャレンジを9回繰り返すというゲームです。
つまり、究極的な話アウトにならなければ永遠に攻撃できるのです。
まあそれはありえないとしても、野球とにかくアウトになる確率が低ければ低いほどいいのです。
そこでアウトにならない確率を打率よりも正確に表せる出塁率が大切なのです。
出塁率はどのくらいならいいのか
出塁率が大切だという話をしましたが、では具体的ににはどのくらいなら出塁率がいいといえるのでしょうか。
ちなみに出塁率の平均は毎年.320程で、日本の最高記録は落合博満で.487、アメリカの最高記録はバリーボンズ.609です。出塁率6割はやばいです笑。
これをふまえて個人的に勝手に基準を作りました。
.450 神 文句なし もはや評価するためにわざわざ出塁率を見るまでもないでしょう
.400 超一流 チームにひとりもいないレベル
.370 一流 これだけあれば十分チームの核となれる
.340 普通 スタメンとしては文句なし 上位打線なら微妙?
.310 最低限 守備などが良ければギリギリOK
.310以下 微妙 正直厳しい
まあ大体打率に6~7分を足したぐらいでしょうか
ただ、単純に打率に6~7分足したような数字にみんながなっているわけではありません。興味がある方はほかのサイトなどで調べてみてほしいのですが、実績のある選手やベテランの選手の方が打率に比べて出塁率が高い傾向にあります。
またチームによっても傾向が少し異なります。積極的にいくかどうかなどの指導方針が関係あるのでしょう。
打率と出塁率との差が大きいチームは打率よりも出塁率に注目している進んでいるチームと言えるかもしれません。
最後にここまで比較してきた打率との違いについて紹介します。
出塁率と打率との違い
ここまで出塁率の大切さについて書いてきました。セイバーメトリクスでも出塁率の方が重視されているのを見ても、打率よりも出塁率の方が大切なのは確かでしょう。
しかしだからといって打率はもうどうでもいいというわけではありません。
具体的には4,5番打者には打率が求められます。
打率と出塁率の一番の違いはヒットを打っているかどうかです。
ヒットを打つと何なのかというと、打点が上がる可能性が高いのです。
例えばランナー二塁の場合四球を選んだとしても二塁一塁になるだけです。
しかしヒットを打てば最低でも三塁一塁、状況によってはランナーが帰ってくる可能性も十分あります。
四球で二塁一塁でも十分じゃないかという人もいるかもしれません。もちろん基本的には十分です。なぜなら貴重なアウトを稼がれることなくチャンスを継続させたのですから。
しかしそれでは許されない立場の選手もいます。
それは4番及び5番打者です。
そもそも4,5番打者に求められる事は何でしょうか。それは塁に出た1,2,3番打者をホームに返し、打点を上げることです。
特に最近は2,3番に強力な打者を置くのが主流になっています。つまり打線の重心が前半によってきているのです。
これは裏を返せば下位打線の打力が下がってきているのです。特に6番打者の打力は下がっています。すると今まで以上に4,5番打者にはランナーを返すということが求められます。
昔、落合監督が「ラミレスこそ本当の四番打者だ」と言っていました。
確かに四番を張るのに十分な成績を残していましたが、別に化け物のような成績を残していたわけではありません。
では落合監督はなぜその様な事を言ったのか。それはラミレスの打点を上げる能力が優れていたからです。
ラミレスは毎年のように100打点を超えていましたからそこが評価されたのでしょう。しかしそれだけではないと思います。
ラミレスの打撃成績は打率にしてもホームラン数にしても正に超一流です。しかし一つだけ微妙なものがあります。
それが出塁率です。通算出塁率は.336で通算打率が.301であることを考えると低いと言わざるを得ません。
しかしこれこそがラミレスが「本当の四番打者」である理由です。
恐らくラミレスは4番としてランナーを返すというのをかなり強く意識していたのでしょう。そして四球を選んで出塁することよりも、ヒットを打つということに力を入れていた結果このような成績になったのでしょう。まあ十分な結果を出していたのですから文句は言えません笑。
長くなりましたが要するに4,5番打者にはヒットを打つことが求められるのですから、つまりは打率を残すことが求められるのです。
逆に打率がいいのに出塁率が微妙という選手は4番適正があると言えるかもしれません。
終わりに
出塁率は最近重視されるようになってきた指標です。
数値が悪いからと言って必ずダメなわけでもないというややこしいものですが、これからは注目してみて下さい。
OPSとは?計算法やいいところについて イチローのOPSも
皆さんはOPSというものはご存知でしょうか?
最近は日本でもセイバーメトリクスというものがかなり広まり、その代表であるOPSについても知っている方が大半かもしれません。
しかしなんとなく知ってるけど、計算の仕方やどのくらの数値なら優秀なのか具体的には知らないという人も意外と多いのではないでしょうか。
この記事ではOPSの計算法や評価の仕方、更にはOPSのいいところや問題点を紹介していきます。
1,OPSとは
2.評価の仕方
3.いいところ
4.問題点
終わりに
今回はOPSについて紹介してきました。
問題点もありますが、基本的には素晴らしい指標なのでこれからは打率や本塁打だけでなくOPSにも注目して欲しいと思います。